NAA元役員の栗田好幸容疑者を逮捕 社長ら緊急会見、信頼回復の取り組み急務

成田空港の事業をめぐり、業者に便宜を図った見返りに現金を受け取ったとして成田国際空港会社(NAA)元上席執行役員の栗田好幸容疑者(64)が5日、警視庁に収賄容疑で逮捕されたことを受け、同社の夏目誠社長らは緊急会見を開くなど対応に追われた。空港の機能強化に向けた協議で、地域住民への説明会が進むさなかに発覚した不祥事。その影響は避けられず、住民の理解を得るためにも信頼回復への取り組みが急務となっている。

 「大変重要な時期に元役員が逮捕されたことは、痛恨の極み」。成田空港で開かれた同日の会見で、夏目社長は苦渋の表情を浮かべた。栗田容疑者が警視庁から任意の事情聴取を受けている事実をNAAが知ったのは6月9日だった。

 夏目社長が栗田容疑者から直接事情を聴いたのは同月12日。機能強化策の中で、夜間飛行制限緩和を当初案の3時間延長から1時間延長とする修正案を県や周辺自治体に提示した「4者協議会」が開かれたその日だった。栗田容疑者は事実関係を認め、その場で辞職願を提出したが夏目社長は受理せず、翌13日の臨時取締役会で栗田容疑者を上席執行役員から解任したという。

 会見で夏目社長は「(部長権限でできる)随意契約を悪用した個人の行為」と強調し、他の職員の関与はないとしている。緊急時の対応策として、部長権限で決裁できる少額の随意契約の制度自体は残す考えだ。今後は外部の有識者も加えた再発防止委員会で、チェック機能の強化などを検討する方針を示した。

 激化する国際空港間競争の中、第3滑走路新設や夜間飛行制限緩和を早期に進めたいNAAだが、同月6日には成田市の民家で、航空機に付着した氷塊が落下して屋根瓦が破損した可能性があることも発覚。落下物対策や夜間の騒音対策を求める住民の声が高まっている。

 そうした中、職員が見返りを得て地域の特定の業者に便宜を図った今回の不祥事は、NAAの会社組織自体への不信感にもつながりかねない。信頼回復に向けて夏目社長は「空港と地域がともに発展する共存共栄に取り組みたい」と改めて強調した。

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