静岡県伊東市のホテル跡地を買い上げた見返りに、売り主の建設会社社長から現金1000万円を受け取ったとして、警視庁捜査2課は16日、前市長の佃弘巳容疑者(71)=同市宇佐美=を収賄容疑で逮捕したと発表した。同課は認否を明らかにしていないが、佃容疑者は逮捕前の取材に「知人に貸した金を返してもらっただけ」と疑惑を否定していた。
他に逮捕されたのは、伊東市湯川4の建設会社「東和開発」社長、森圭司郎(47)=贈賄容疑=と川崎市幸区南幸町1、会社員、稲葉寛(50)=収賄ほう助容疑=の2容疑者。
逮捕容疑は2015年8~9月、市が東和開発所有のホテル跡地を買い上げた見返りに、森容疑者から現金1000万円を受け取ったとしている。現金は稲葉容疑者を介して複数回にわたって、渡されていたという。
問題になったのは伊東市桜木町2の「伊東マンダリン岡本ホテル」の跡地(約4000平方メートル)。この土地は14年10月に強制競売にかけられ、東和開発が約5000万円で落札。翌年7月に市が2億500万円で買い上げた。
土地取引は佃容疑者が主導し、議会には「生涯学習施設を建設する」と説明していた。しかし計画は進まず、現在は更地のまま市の臨時駐車場として使われている。
佃容疑者は今月13日の取材に現金の授受は認めたが、ホテル跡地を買い上げた見返りだったことは否定していた。佃容疑者は「10年ほど前に稲葉容疑者に約2000万円貸していた。稲葉容疑者が土地取引で仲介役を務め、東和開発からコンサルタント料を得たので1000万円の返済を受けた」などと説明した。
佃容疑者は市議や静岡県議を経た後、05年の市長選で初当選。昨年5月まで市長を務めていた。
