東京地検特捜部は8日、業績悪化を公表する直前にインサイダー取引で損失を免れたとして、証券取引法(現・金融商品取引法)違反(インサイダー取引)容疑で、東証2部上場の投資会社「ジェイ・ブリッジ」(東京都墨田区、J社)元会長、野田英孝容疑者(54)ら2人を逮捕した。
株の売却にはシンガポールに開設された口座が使われており、海外から発注された株取引(クロスボーダー株取引)について、インサイダーの容疑が立件されるのは初めて。
ほかに逮捕されたのは、J社元常務執行役員で、登山用品販売会社「コージツ」(東京都港区)社長、堀秀行容疑者(36)。
堀容疑者は、損失回避で得た利益を知人名義の証券口座に入金しており、犯罪収益を隠した組織犯罪処罰法違反容疑でも立件された。
地検によると、野田容疑者は平成18年4月下旬、J社が同年3月期の業績予想を下方修正することなどを知り、公表直前の5月8~11日、シンガポールに開設された口座を使って、自社株計7万株を計約6500万円で売却した疑い。
J社株は一時、1240
円の高値を付けていたが、公表後、2日連続でストップ安となり、その後、600円台に落ち込み、6月2日には450円の安値となっていた。野田容疑者は下落直前に売り抜けて約2000万円の損失を回避した。
堀容疑者も同様の情報を知り、国内の借名口座を使って計1万株を約900万円で売り抜け、約265万円の損失を回避した疑いが持たれている。
