静岡県熱海市などで旅館を経営する「岡本ホテルグループ」がリゾートクラブの会員を募り、違法に資金を集めたとされる事件で、警視庁組織犯罪対策4課などは8日までに、預託金名目で現金約3億円をだまし取るなどしたとして、同グループの元オーナーで元山口組系暴力団組員、大東正博容疑者(59)=神戸市中央区八幡通4=ら10人を組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で逮捕した。
同課によると、同グループは全国の約8千人から二百数十億円を集めたとみられるが、大東容疑者がうち数十億円を私的流用、一部が暴力団に流れていた疑いもある。資金の大半は返金されておらず、同課は預託金商法には実体が無かったとみて全容解明を進める。
ほかに逮捕したのは、破産手続き中の会員権管理会社「オー・エム・シー」(東京・中央)前社長、山脇一晃容疑者(56)=東京都中央区勝どき5=と同社元社長、松永博宣容疑者(37)=江戸川区松江2=ら。同課はさらに営業担当ら4人を同容疑で逮捕する方針。
逮捕容疑は2009年9月~10年5月、横浜市の不動産賃貸業の50代の男性ら約80人から、会員制リゾートクラブ「岡本倶楽部」の預託金名目で、現金計約3億円をだまし取るなどした疑い。
捜査関係者などによると、集めた資金のうち約26億円が大東容疑者個人への貸付金として流出し、高級外車やマンション購入費用に充てられていた疑いがある。さらに同容疑者はオー社の名義でクルーザー(約7千万円相当)を購入し、私的に使用していたという。
同グループは05年から岡本倶楽部の名称で会員を募集。100万~1000万円を出資すれば、系列のホテルや旅館の宿泊券がもらえるうえ、元本も5年後に8割から全額を返金すると宣伝していた。
さらに未使用の宿泊券はホテル側が現金で買い取る制度があり、年利にすると8~18%の収入が見込めると説明していたが、預託金の返還が滞ったため、会員が返金を求めて相次ぎ提訴。警視庁などは昨年5月、オー社などを出資法違反(預かり金の禁止)容疑で家宅捜索し、同社は同年6月に東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。
